制作国:アメリカ
上映時間:84分
原題:ELEVATOR
配給:
監督:スティーグ・スヴェンセン
出演:クリストファー・バッカス、アニタブリエム、ジョン・ゲッツ、シャーリー・ナイト他
閉じ込められている場所:エレベーター内
ある日、アメリカのニューヨークのウォールストリートにある“バートン・ビル”でバートン会長が主催する豪華パーティーが開かれました。
会場へのエレベーターでは不審者が入り込むのを防ぐためにエレベーターに乗車する際には身分証明書を提示しなくてはなりません。バートン会長は孫娘のマデリンを連れて、エレベーターへ乗り込みました。エレベーターには若い中期定期証券会社の社員のドンと、その恋人で挙式間近のテレビ局のアナウンサーのアサナ、バートンの会社の職員で中年の肥満体系男性のマーティン、ユダヤ系の閉所恐怖症のコメディアンのジョージ、バートンの会社の顧客で投資家の杖をついた初老女性のジェーン、妊婦の若い女性セーリン、バートンビルの警備員モハメド、そしてバートン会長と孫娘マデリンの計9人がエレベーターの中に乗り、パーティー会場へと向かいました。
エレベーターはゆっくりと上昇していきます。しかし狭いエレベーターの中で9人の人間に囲まれて閉所恐怖症のジョージは少しずつ落ち着きを失っていきました。その様子を見た会長の孫娘マデリンはいたずら心からジョージのほうを見つめながらエレベーターの緊急停止ボタンを押したのです。
エレベーターは49階で停止しました。マデリンがわざと緊急停止ボタンを押していたことを目撃していたジョージはバートン会長にそのことを訴えますが、バートン会長は孫娘は誤ってボタンを押したのだと言って、ジョージにクビを宣告します。そして緊急停止ボタンを引っ張って解除しましたが、エレベーターは止まったままです。ジョージはパニックになり呼吸が早くなっていました。このままでは過呼吸になってしまうと初老の女性が携帯用ウイスキーを勧め、アルコールが入るとジョージの様子は少し落ち着きました。
アナサは同僚のニュースキャスターにエレベーターに閉じ込められたことをメールし、警備員のモハメドは無線で連絡を取ろうとしますが電池切れでした。バートン会長は何度かボタンを押せば治るはずだとボタンを押しますがエレベーターはほんの少し動くそぶりを見せるだけで止まったままです。エレベーターについているヘルプボタンを押すと、警備室に繋がり、「管理室に連絡します」とだけ告げられました。
10分くらい経過しましたが、エレベーターは動きません。妊婦のセリーンは妊娠してからトイレが近くなったため、そわそわしだしました。こんな事態になってしまったのはマデリンのせいだとマデリンを責めますが、マデリンもジョージに反発します。重たくなった雰囲気を変えるため、マーティンがバートン会長に「今期で引退するという情報は本当なのか」と尋ねます。ジェーンは「7500万ドルも設けたものね」と付け加えました。引退の件は真実で、バートン会長はこのパーティーでそれを公表しようとしていました。
初老女性のジェーンは現在クリーブランドに住んでいて、ニューヨークに25年ぶりに来たこと、夫は数か月前に亡くなったことを話しました。妊婦のセリーンはドンに結婚式がいつか尋ねます。3月だとドンは答えますが、アサナはなぜセリーンがドンの結婚を知っているのか不審に思います。実はセリーンはドンの元同僚で、しかもおなかの子はどうやらドンの子供らしいのです。
初老女性のジェーンが倒れました。そしてなかなか動かないエレベーターのなかで、語り始めました。息子がイラクで戦死し、息子を亡くした慰めに夫とボートを買おうと約束し、バートン社に投資したものの一門なしになってしまったこと、それに落胆した夫は拳銃で頭を撃って自殺してしまったこと、夫は死んでしまったのに会長は7500万ドルを手に入れていることへの恨み…そして、「こんなところで死にたくない、爆弾がある」とだけ言って心臓発作を起こし亡くなってしまいました。
爆弾という言葉を聞きアサナは会社のニュースで流す動画を取り始めました。そして妊婦のセリーンがジェーンの身の回りを確認したところ、身体に爆弾が本当にまいてあったのです。
ドンがエレベーターのドアを開けようと言い出し、みんなの力を借りて、ドンが死んでしまったジェーンの杖を使ってエレベーター乗り口のボタンを外から押そうとしたとき、マデリンがLボタンを連打したため、エレベーターは下降し暗転しました。しばらくして電気が復旧するとドンの右腕が切断されていることがわかりました。マデリンは「私は悪くない」と何度も呟きました。バートン会長も額を打って出血しています。
マーティンがスマホでテレビを写すと、爆弾を作った犯人がテレビ局のインタビューに答えていました。爆弾を起動した後2時間で爆破し、停止はできず、あと10分程度で爆発するというのです。アナサに電話がありFBIと爆弾処理班が向かっているという情報が入りますが到着まで10分以上かかってしまうのでこのままでは間に合いません。男性陣で扉を協力して開けようとしますが失敗します。爆弾を外に投げ出せばいいとマーティンが言い、刃渡りの小さなナイフを見つけますがコードの切断はできません。するとバートン会長はジェーンの腹部を切り内臓を引きずり出しました。背骨を折ろうとしますがなかなか折れません。マデリンはまだ「私は悪くない」と呟いています。
エレベーター内にマイクの音声が流れました。爆弾処理班が到着したのです。爆弾処理班は下にエレベーターを移動させました。エレベーターの上部が少し開きます。エレベーターの隙間から次々に避難していきますが、太りすぎていたマーティンと爆弾を体に巻き付けたジェーンは出ることができず、2人は爆発に巻き込まれて死んでしまいました。
みどころ
序盤はエレベーターに閉じ込められているものみんな落ち着いていますが、後半になるにかけて視覚的なグロテスクさがあるので刺激がほしい方は楽しめる作品かもしれません。
エレベーターに乗り合わせたのは実は何かしらつながりのある9人で、エレベーターに閉じ込められて時限爆弾が爆発するまでに全員なんとかして脱出するというわかりやすい展開になっています。
感想
すべて会長の孫娘がいたずら心でエレベーターの緊急停止ボタンを押したことが原因で、そんなことしなければ誰も死なずに済んだし、それを反省もしていない様子で話が進むので、孫娘に腹を立てながら話を見進めていかなければなりませんでした。
9人は実はつながりがあるのに少し揉めるだけで、大きな展開は生まれないのが少し物足りなかったかなと思います。
グロテスクなシーンが2シーンほどあります。果たして必要なシーンだったのかという疑問は残ります。好き嫌いがはっきりと分かれそうな映画です。