概要
製作国:アメリカ合衆国
上映時間:98分
原題:Flightplan
配給:ブエナ・ビスタ・ピクチャーズ/ブエナ ビスタ インターナショナル(ジャパン)
監督:ロベルト・シュヴェンケ
出演:ジョディ・フォスター
閉じ込められている場所:機械室
あらすじ・ネタバレ
・あらすじ(ネタバレ無し)
飛行機のエンジニアであるプラットは夫のデビットを事故で亡くし、棺に入れられたプラットと共に飛行機で移動をしていました。6歳の娘のジュリアもデビットの死に動揺しつつ、プラットに隠れて搭乗。しばらく飛行機に乗って過ごし、眠りにつく際にプラットはジュリアが寝やすいようにと思って空いてる席に移動したのです。そうして眠った後、起きたプラットはジュリアがいなかったことに驚き、飛行機内を探し回りますが見つからず…搭乗員に相談すると「乗客名簿にジュリアが載っていない」と伝えたことで、プラットは動揺し機長に話をさせるよう言うのでした。
機長はプラットが「ジュリアのリュックも無くなっている。誘拐かもしれない」という話を聞いて半信半疑ながら彼女の捜索に手を貸すことにします。425人の乗客にシートベルトを付けさせて座らせ、その間に搭乗員たちと共に探し回りますが見つからず…その際にプラットはアラブ人の男性2人に見覚えがあり、「昨晩、娘の部屋を見ていた」と言って誘拐犯だと疑いますが保安官のカーソンがそれを止めるのでした。
機長は病院から報告を受け、ジュリアはデビットと共に死んだという事実をプラットに話します。プラットは取り乱し、再びアラブ人の元に行って問い詰めようとしますが突き飛ばされて気絶してしまうのでした。
―果たしてジュリアの生死は?限られた飛行機という空間で起きた事件の真実とは?
・結末・ネタバレ
手錠をかけられたプラットが目覚めると隣には乗客のセラピストが話を聞きに来ていました。上の空で話を聞きながら「ジュリアは既に死んでいた…?」と思い始めたプラット…しかし、曇った窓にジュリアが描いていたハートマークがあることに気付いて死んでいなかったことを確信。カーソンにトイレに連れて行ってもらい、天井裏から飛行機の機器の回線を操作して、飛行機内を混乱させている間に貨物室へ。
収納されていた車を探したり、デビットの棺も開けてみましたがジュリアは閉じ込められておらず…カーソンが来てデビットを拘束して席に連れ戻し、彼女が「棺は一つしかなかった。ジュリアは生きている」とカーソンを説得しようとします。しかし、実は彼がこの騒動の主犯であることにプラットは気付きません。カーソンは機長に「プラットが自作自演をして多額のお金を要求している」と伝えてお金を振り込ませ、X線検査がされない棺に密かに爆弾(起爆装置)を持ち込んでいたのです。爆弾を設置し、仲間の搭乗員にプラットを見張らせておきつつ、緊急事態となった飛行機は近くの空港に不時着。
爆弾処理班が取り囲む中で乗客が避難した後、カーソンの言動を不審に思ったプラットは彼を呼び止めて飛行機で対峙するのです。プラットを殴ったスキに機械室でジュリアを見つけ、そこに仕掛けられた爆弾に気付き、追ってきたカーソンを巻いて爆弾を起爆させるのでした。共犯者の搭乗員が捕まり、プラットはジュリアを助けることができてハッピーエンドです。
見どころ・感想
・飛行機内で起きる事件にハラハラ!
上空を飛ぶ飛行機のどこにジュリアがいるのか?と思いきや、母親のプラットが錯覚を見ているのでは?という疑問も出てくるスリリングな映画でしたね。最愛の夫を亡くし、ジュリアまで死んでいたのではないかと突きつけられたら、精神状態が極限になりそうです。そんな彼女にジュリアが描いていた窓のハートマークに気付いて欲しいと思うようになる後半はとてもハラハラさせられました。
飛行機といえども400人以上が乗るとても広いタイプの機内であり、「絶対にジュリアはどこかにいるはず!」と思って探すと「貨物室や機械室など小さな部屋がたくさんあって一人では回り切れない」という焦りが伝わってくる…結局、プラットの味方は一人もいなかったため、それでも閉じ込められたジュリアを探し続けて、時には乗客をとても不安にさせる行動も辞さない姿勢は母親の強さを感じさせました。
格納された車を見つけたら躊躇せずにフロントガラスを割って中を探したり、デビットの遺体が入った棺を泣きながら開けたり…必死さが伝わるプラットに対し、「棺にジュリアがいたらどうしよう…」というシーンが一番印象的でしたね。
・事件の伏線がたくさん!真実に驚き!
ジュリアを見かけた乗客や搭乗員がいなかったのは、プラットの前の席の子供たちがとてもうるさく、多くの者たちが子供に対して辟易していたのが原因の一つでした。そして、ジュリアを探すよう言われた搭乗員の中には真面目に探してくれない人も多く…逆にジュリアを連れ去った時に不自然さを感じる者もいなかったようですね。
ジュリアの登場した記録が無かったのは仲間の搭乗員の仕業だったり、棺に爆弾を収納しておいたのは同じく仲間の葬儀屋だったりと、カーソン以外にも仲間が複数いると明かされた終盤は驚きの連続!最後にプラットとカーソンが対峙するシーンで、大金を得てプラットを犯人に仕立て上げれたと安心しきったカーソンが我が物顔で今回の計画の全容を話すという展開が分かりやすかったです。
アラブ人は無関係で、彼を疑い始めたプラットはちょうど良かったと思っていたり、デビットは事故死では無く彼らの作戦のために殺されたと明かされたり…念入りな作戦にビックリですね。
プラットの作戦を知った上でもう一度見直したくなる映画『フライトプラン』は、母親の強さと大切な家族を思う心が良く伝わってくる内容でした。上空を飛ぶ飛行機に閉じ込められたり、犯に扱いをされて孤独な状況に陥ってしまったりしたら…自分ならどうするでしょうね?