パニックルーム

作品概要

製作国:2002/アメリカ
上映時間:113分
原題:PANIC ROOM
配給:SPEJ
監督:デヴィッド・フィンチャー
出演:ジョディ・フォスター フォレスト・ウィテカー ドワイト・ヨアカム ジャレッド・レト クリステン・スチュワート
パニックルール(緊急用に隔離された安全な部屋)

あらすじ

マンハッタンで家を探しているメグと娘のサラ。メグの夫のスティーブの浮気が原因で彼の元を離れ、新しく4階建ての大きな家に住むことにするのです。富豪に建てられたその家はたくさんの部屋と、監視用モニターが付いているパニックルーム(緊急用に隔離された安全な部屋)もありました。引っ越してきたメグはパニックルームの監視モニターの設定を確認し眠りにつきます。

その夜、三人組の男が家に潜入…家の持ち主だった富豪の孫のジュニアは、家の遺産を持ち出そうと企み、家の構造に詳しいバーナム、護衛代わりのラウールと共にやって来たのです。まだ空き家だと思っていたジュニアは、眠っているメグたちに気付きますがコッソリと家探しを開始。

メグはふと目が覚めた際に強盗に気付いて、サラを起こしパニックルームへ。物音に気付いた強盗はサラたちがパニックルームに逃げ込んだことを知って悪態をつきます…彼らが捜している金庫はその部屋にあるからです。

ー果たして強盗は閉じ込められたメグたちにどう対処するのでしょうか?

説明

バーナムはセキュリティー会社で働いていたことから通報の心配はないと判断し、ジュニアは監視カメラに向けて「その部屋に欲しいものがある」とメッセージを送ります。サラはスピーカーを使って出ていくよう指示しますが、強盗たちはガス管からパニックルームへガスを流して追い詰めようとしました。サラはガスに気付き、通気口の奥に手を伸ばして火を点けて伏せ、ガスをたどった火は爆発。ジュニアはケガを負うのでした。

その間にメグは外へつながる換気口から光でSOSのモールス信号を送り、向かいの家の人に気付かせようとしますが失敗…カーテンを閉められてしまいます。監視モニターを見て強盗たちが取り分でもめている間に、メグは部屋を出て携帯電話を拾いに行き、再び戻るのでした。しかし、電波が入らなかったため、壁の電話線を手繰り寄せてつなぐのに成功。警察に電話すると待たされたことから、スティーブに電話して助けを求めるのでした。

携帯電話を持ち込んだことに気付いた強盗は電話線を遮断。ジュニアは通報も恐れて、パニックルームに入れないと考えて思わず「他の相続人で割って90万ドルになる」とボヤくのです。その話を聞いたバーナムは金庫には300万ドル以上が隠されていると確信し、ジュニアがお金のことでウソをついていたのを問い詰め、ラウールは逃げようとしたジュニアを撃ち殺すのでした。そこにスティーブがやって来たことで事態が急変するのです。

手段を選ばなくなったラウールはスティーブを痛めつけて動けなくさせ、バーナムはある作戦を提案。1階にいるフリをしてメグの目を欺き、彼女が持病で動けなくなったサラのための注射を取りに出てきたスキに、バーナムとラウールはパニックルームへ…メグはそれに気付いてラウールを不意打ちして銃を奪い、パニックルームへ逃げる強盗たちの下へ注射器を滑り込ませました。

メグは強盗たちにパニックルームから出た際に銃で撃たれたくなければ、サラに注射を打つよう交渉します。強盗たちはメグに1階に降りるよう指示し、サラに注射をした後、床の下の金庫を開ける作業に移りました。スティーブが呼んでいた警察をメグは追い返し、サラの安全を確保しようと待ち伏せをします。

金庫から狙った物を入手した強盗たちはサラを人質にしながら裏口へ向かい、スキを見てメグがラウールをハンマーで殴打。バーナムは逃げようとしますが、ラウールがメグを殺そうとしたのを見て彼を射殺するのでした。騒ぎに気付いた警察が駆け付けてバーナムを逮捕。サラとメグは新しい家を探すことにするのでした。

感想

・4階建ての広い家、閉じ込められるのはパニックルーム!
母メグと娘サラが住む家はとっても広い!部屋もドアの数が多く、階段を折り返して上の階に行くようになっていていたり、少人数用のエレベーターもあるのです。そして、4階の部屋の一角に隠されたパニックルームには、出入り口をボタンで開閉できるようになっていました。扉は分厚い金属。閉まる時にはかなりのスピードが出る一方、センサーが付いているので手を挟んだりする心配はありません…しかし、強盗のラウールは手袋のせいで扉に手を挟むというシーンがあったのに驚きましたね。
その他、パニックルームの特徴として、

・監視モニターで屋敷の様子がわかる
・コンクリートの壁により電波が遮断される
・緊急用の道具が一通りそろっている

という、緊急時に避難してもしばらく過ごせるようになっているのがスゴイですね。逃げ込むには最適なのですが電話の手続きをしていなかったことで、メグとサラは閉じ込められるような状況になってしまったのです。
そんな中、強盗たちのスキをついてパニックルームの外に出たり、周囲に危険を知らせようとしたりする様子はハラハラさせられる緊迫感のあるシーンを楽しめました。

・映画のこの演出も良かった!
映画の演出も『パニックルーム』の見どころであり、一つはメグは携帯電話を取りに行こうとパニックルームから隣に部屋に駆け出したシーンがありましたね。強盗に気付かれる前に全力で走って隣の部屋に行く際の演出がスローモーションを使用していてハラハラが長く続く!間一髪で携帯電話を持ち込むことができたメグのシーンは凄かったです。

他にもガスに点火した際の青い炎は迫力があり、メグたちも燃えてしまうのではと心配になったり、サラが持病で苦しそうにしていたりとピンチの連続…目が離せませんでしたね。一方で、強盗のジュニアはちょっと抜けている所があって笑えるシーンも!
そうした見やすさもある演出と、閉じ込められながらも互いに励まし合うメグとサラの緊迫感のバランスの良さ、ラストの展開など総合的に良いと感じた映画です。

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ヘイトフルエイト

作品概要

製作国:2015/アメリカ
上映時間:167分
原題:The Hateful Eight
配給:ギャガ
監督:クエンティン・タランティーノ
出演:サミュエル・L・ジャクソン カート・ラッセル ジェニファー・ジェイソン・リー ウォルトン・ゴギンズ
閉じ込められている場所:吹雪の中の店

あらすじ

レッドロックを目指し雪山を移動していたマーキス・ウォーレン少佐は賞金首の死体を運ぶ途中、馬車を見かけて呼び止めました。乗っていたのはジョン・ルース。彼は賞金1万ドルのデイジー・ドメルグを手錠でつないでおり、御車の男性OB(オービー)と共にレッドロックに向かっていたのです。マーキス少佐を乗せてしばらく走ると、今度はクリス・マニックスに乗せて欲しいと頼まれます。クリスはレッドロックの次期保安官を名乗り、素性を怪しみつつも猛吹雪が迫っていたため馬車に乗せるのでした。

こうして5人は休憩すべくミニーの服飾店にたどり着きます。吹雪をやり過ごすため店に入ると、店の手伝いのボブ、絞首刑執行人のオズワルド・モブレー、小説を書いているジョー、老齢の将軍サンディー・スミザーズの4人がいました。店で会話をしながら互いの素性を明かしていく9人…ジョンは首吊り人(ハングマン)として名高く、生死を問わない賞金首でも生かして処刑台送りにしていました。そのため、デイジーを逃さないように手錠をしていましたが、「この中に彼女の仲間がいるのでは…?」と考えており、マーキスも嘘つきがいることに気付いていたのです。

―猛吹雪の中、店に閉じ込められた9人は、この後どうなるのでしょうか?

説明

マーキスはスミザーズ将軍と話を始めます。スミザーズ将軍の息子チェスターが前に自分を殺しに来たため、返り討ちにした…マーキスはチェスターを苦しめたことを語って、スミザーズ将軍を煽り、銃を抜かせた瞬間に撃ち殺すのでした。その行動に皆が驚きましたが、ひとまずOBとボブは死体を外に運びます。

OBは外に出て冷たくなった身体を温めるためコーヒー飲み、見ていたジョンもコーヒーを手に取ります。デイジーはギターを弾きたいといって歌い、ジョンはコーヒーを飲みながらそれを聞いていました。すると、OBとジョンは吐血し、そのまま息を引き取りました。

マーキスはオズワルド、ジョー、ボブを壁に向かって並ばせ、コーヒーに毒を入れたデイジーの仲間は誰かと問うのです。直前にコーヒーを飲もうとしていた保安官のクリスはマーキスと共に銃を構え、怪しい行動をた者を撃てと言われていました。マーキスは店の手伝いをしていたボブに「ミニーに雇われたと言っていたが、彼女はメキシコ人を嫌っていた」と詰め寄ってそのまま射殺。常連だったマーキスはミニーと他の従業員が既に殺されていると推理していたのです。

すると、マーキスは床下から撃たれ、オズワルドとジョーもそれを機に動き出そうとしますが、クリスはオズワルドを撃った拍子に銃弾を受けてしまうのでした。負傷したマーキスとクリスは銃を構えてジョーとデイジーに狙いを定めながら、地下に潜伏する者を炙り出します。その男はジョディ。デイジーの弟であり、彼女を助けるためにオズワルド、ジョー、ボブと共に待ち伏せをしていたのでした。ジョディはデイジーを撃たせないように地下から出てきてマーキスに撃たれ、ジョーは近くの銃に手を伸ばした際に同じく撃たれます。

銃弾を使い切ったマーキスはクリスにデイジーを殺すよう言いますが、彼女はドミングレギャング団だと名乗り、朝には15人の仲間がやってくると言ってクリスを取り込もうとしたのです。「マーキスを殺せば死んだ仲間に懸けられた賞金を渡す…」と、数万ドル以上が手に入ることでクリスを説得している途中で彼は出血多量により気絶。デイジーはマーキスを殺そうとしましたが、目覚めたクリスがそれを止めるのでした。

マーキスとクリスの傷は深く、死を悟ったためジョンの遺志を継いでデイジーを吊るし首にし、物語は幕を閉じます。

感想

閉じ込められた者たちの攻防が凄かった!
デイジーの1万ドルを横取りしようとする者か、彼女を助けようとする仲間か…首吊り人のジョンが馬車にマーキスたちを乗せるシーンから店で他の者の素性を怪しむシーンまでハラハラさせられる映画でしたね。吹雪で外に出られない中、マーキスがスミザーズ将軍を殺したことをキッカケに事態が急変し、次々と人が死んでいくというスピーディーな展開が見どころでした。
また、デイジーの仲間がミニーの店を襲った際の回想もあるため、物語としてとても分かりやすかったです。それまで嘘つきが誰なのか全く予想できず、騙し合いや推理模様はミステリーとしても楽しめる映画だといえるでしょう。

マーキスがスゴイ!
元騎兵隊で高額な賞金も懸けられていたマーキスですが、黒人であることから「ニガー」と呼ばれたり、過去に白人を殺したこともあるため他の者からの当たりも強い…しかし、彼は「リンカーンから手紙をもらったことがある」という一目置かれる存在だったのです。それがシチューを食べている際にウソだと暴かれるのですが、悪びれもせず有効なウソを堂々と明かしたのも印象的。ボブのウソを見破る観察眼と推理力にも驚かされましたが、スミザーズ将軍の息子を殺した時のことを語る姿は非道さも感じさせました。

血しぶき上がるアクションにも注目!?
毒入りコーヒーを飲んだジョンは苦しみながら吐血をする際の血の量が凄かった!床を地に染め、デイジーにも血を浴びせる…これが一番の驚きポイントかとも思いましたが、その後マーキスがボブのウソを暴いて近距離で銃を放って頭を吹き飛ばした時が最も驚きましたね。
銃を打ち合うのを始めとし、血が吹き出るシーンが多くて派手さもある中、サスペンスとしても楽しめます。非情さが無ければ生き残れない時代のとある雪山の店で起きた閉じ込められた者たちの映画『ヘイトフルエイト』は見どころ満載でした。

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アイアン・ドアーズ のレビュー(総合評価A)

評価

  • ストーリー  A
  • キャラクター B
  • 設定 A
  • 密室度 B
  • 総合評価 A
  • シチュエーション 金庫

説明

目を覚ますと、そこは鉄の扉に閉ざされた部屋。
誰が一体何のために閉じ込めたのか。何をやっても、出られない!出られない!ある日、目が覚めると謎の金庫室に閉じ込められていた投資銀行の行員マーク。
このままでは脱水症状で死んでしまうと焦り、必死に脱出を試みる。
しかし、金庫室にあるのは鍵のかかった鋼鉄製のロッカー、ハエとウジ虫、そしてネズミの死骸だけ。
いったい誰がどうやって何の目的で閉じ込めたのかも分からなければ、脱出する手段も分からない。
この部屋から無事脱出することはできるのか・・・

感想

この映画、ずっと気になっていて、でかい渋谷のTSUTAYAにもなかったので、Amazonで買いました。
アイアンドアーズのタイトルよろしく、鉄の金庫の中で物語が完結する。
シチューエーション自体は、CUBEと似ている。

扉を壊して外に出られたと思ったら、新たな部屋。そこには、棺があり、アフリカ系女性が眠っていた。

さらに、その部屋にはドアがあり、一緒に壁の掘削を続けるが、腕は限界を迎え壁を壊すことができない。
しかし、作業を続けているとなぜか扉が空き、また新たな部屋へ。

新たな部屋では、部屋の中央に墓があった。
元いた部屋と同様に、壁の掘削をしていれば扉が開くと考え、作業を続けるが開かず。
あきらめモードで、最後の思い出にセックスを始める2人。
なぜか、扉が開く。

扉の先は、地球ではないどこかの大地。

いろいろ解釈があるみたいだけど、ネットを巡ると濃厚な解釈が。

第一の扉:アダムが生まれ、火や槌などの道具を扱えるようになり、文明が進む。
第二の扉:イブが生まれ、歌を知ることで、文明が進む。
第三の扉:愛を知り、エデンの園へ到達する。

ネズミの死体や蛆虫、自分の尿を飲むシーンなどは、地球の汚染を表している。

少し前に話題になった「マザー」という映画に似ているね。

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Pro9 治験のレビュー(総合評価A)

評価

  • ストーリー  C
  • キャラクター B
  • 設定 C
  • 密室度 B
  • 総合評価 C
  • シチュエーション 病院

 

説明

プロシントレックス製薬の治験に7人が参加。
彼らは2,000ポンドの報酬と引き換えに、14日の間、新薬・プロナインの実験台となる。
ある夜遅く、被験者の1人が苦しげな声を上げて暴れ始め……。

感想

この映画、どうやら実話っぽく作られているけど、そうではないらしい。

今回のテーマは治験。Pro9という、薬を2mg投与し、経過を見るというもの。
一定時間が経過すると、皮膚がただれてきて、狂暴化して、人々に襲い掛かる。

7人のうち、1人ずつ徐々に症状が出始め、新聞記者のケイティ以外は死んでしまう。
ケイティは実は取材のため、偽物の薬を投与されていたため、発症しなかった。

「最初の投与から約17時間で治まることが判明した」の、テロップで終了。

アダム役のアナイリン・バーナードという人がとても人気らしい。

治験やったことあるけど、ちょっとゾクっとする内容でした。
これから治験やろうと思っている人は気を付けてネ

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トライアングルのレビュー(総合評価A)

評価

  • ストーリー  A
  • キャラクター B
  • 設定 A
  • 密室度 A
  • 総合評価 A
  • シチュエーション 豪華客船

 

説明

「私が私を殺し続ける–抜け出せるか!?悪夢が反復するシチュエーション・ループ・スリラー」
友達に誘われヨットセーリングに出掛けたジェス(メリッサ・ジョージ)だったが、嵐に襲われヨットが転覆してしまう。
運良く助かった彼らの前に大型客船が現われ、助けを求めて乗り込んでみると直前まで人がいた形跡はあるものの、なぜか人の姿がまったく見えなかった。
一行が船内を探索していると、突如覆面をした人物が現われ次々に殺されていく。

 

感想

ふとAmazon Primeを眺めていたら、オススメに出てきた映画。
とりあえず見てみるか程度の気持ちで見たら、ものすごく面白かった。けど、とても難しいね。
この「トライアングル」というタイトル、バミューダトライアングルから来ていて、脱出不可能ということを暗に示しているらしい

「私が私を殺し続ける」の謳い文句通り、殺し続ける。
これは、自分を殺すと新しい自分が来て、また自分を殺すという無限ループをしているんだね。
そしてそれは、まさにベルトコンベアーのように世界が常に多重になっており、それぞれの世界が数時間程度ずれているようなループ方式。

同じ人間の死体が大量にあることから、主人公が何度も同じ時間をループしていて、多重になっていることが示唆されている。

 

「全員殺さないと帰れない」と言われるジェス、覆面をつけた人に殺されるジェス以外の一行、最終的には船を脱出するが、脱出後は物語冒頭のジェスが息子を虐待するシーンに戻る。
そして、虐待しているもう一人のジェスを殺し、死体を埋めに車を走らせるが、車のフロントガラスに突っ込んで死んでしまう鳥、トラックに激突してしまい息子を死なせてしまう。
最後はヨットハーバーへ到着しヨットへ乗り込む。という無限ループなんだね。
無限ループから脱出するためにあがくジェスだけど、脱出するために行う行動すべてが予定調和であり、毎回のループで同じ選択をさせられている。
裏をかいたつもりでいてもそれも予定調和。というとても恐ろしい映画でした。

2回見たけど、正直よくわからなかった。
他のレビューサイトで理解しつつ、自分の言葉で解釈するようにするとあーなるほどなってなるね。

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