4×4 殺人四駆【ソリッドシチュエーションスリラー映画レビュー】

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制作国:アルゼンチン・スペイン合作
上映時間:92分
原題:4×4
配給:ギャガ
監督:マリアノ・コーン
出演:ピーター・ランサーニ、ダディ・ブリエバ
閉じ込められている場所:車内

 

あらすじ

ある日、シロ・ベルムーデスは路上に駐車してある車の車上荒らしをしようとします。テニスボールで車のカギ部分をいじり、ドアを開けると車のカーナビを取り外し、リュックの中にしまいました。そして車から出ようとするとカギがかかっていました。内側からカギを開けようとしましたが、開きません。すべての内側からのカギを開けようとしますが開きません。

工具でガラスを割ろうとしますが、ガラスは割れません。後部座席のパーツを外そうと手を差し込むと左腕を怪我してしまいました。先ほどの工具でドアを破壊しようとも試みますがびくともしません。シロは無我夢中でフロントガラスに銃で発砲しますが、ガラスは割れずにそのままシロの右ひざに跳ね返ってきました。

 

シロは着ていた自分のシャツで止血します。外にいる女性が車の窓を鏡代わりにして口紅を引いています。しかしシロのことは見えていないようなのです。必死でシロは外の女性にアピールしますが気づいてもらえませんでした。持っていた携帯電話も電池切れです。車から出られないまま夜になってしまいました。車にはコオロギが1匹だけ入り込んでいます。

 

朝が来ました。シロは車内のものを盗んだらすぐに出るつもりだったので、必要最低限の持ち物しかリュックには入っておらず、のみかけのペプシもとっくに飲み干してしまっていました。

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カーラジオを聞いて歌っていると、車に電話がかかります。着信はこの車の持ち主でした。シロが電話を取ると、車の持ち主は話し始めました。名は産科医のエンリケ・フェッラーリ、今までに28回も車上荒らしにあっていて警察に届けても治安が良くなるわけでもないので、自分で完璧な車を作って車上荒らしをする犯人を閉じ込めてやろうと考えていたのでした。その罠にシロがまんまとはまってしまいました。

 

車は車上荒らしに合うと自動的にドアがロックします。防弾仕様、中で動いても車体は揺れないように作られていて、防音、防弾、偏光ガラスです。燃料タンクだけは防弾仕様にはなっておらず、遠隔で爆発させることもできるそうです。閉じ込められたシロが脅すと通話は切れてしまいました。

 

通話が切れると車内はエアコンが効き始めました。もちろんシロはエアコンを操作することはできません。凍えながら止血したシャツをもう一度着て、足ふきマットで風をふさごうとしますがうまくいきません。しばらくしてエアコンが切れてエンリケから電話がかかります。エンリケはシロに説教をします。通話が切れるとパトカーがそばを通りました。見つけてくれることを期待しましたが、警察官は「偏光ガラス使用禁止による罰金通知書」をフロントガラスに貼ると立ち去ってしまいました。

 

またしてもエンリケから電話がかかってきます。国民識別番号と名前を教えろとシロに言いました。シロが名前を教えると、エンリケは後ろの洗浄液を飲むように言いました。シロは洗浄液を飲みます。

 

車に閉じ込められて3日目になりました。シロはまだドアを開けようとしています。エンリケから電話がかかってくるとシロは怪我をしていると訴えました。エンリケに誘導されながらシロは怪我の状態を説明しました。するとエンリケは「熱があるなら寒いだろう」といい次は暖房を入れました。車内は暑くなりました。暑さにシロが苦しんでいるとエンリケは自分の余命が残り1年であることを告げました。

 

若者が車上荒らしをしにやってきました。外から運良く開けてはくれないだろうかと期待しますが、若者は車を開ける前につかまってしまいました。夜になるとコオロギを自分の口の中に入れようとしますがやめて座席に戻します。

 

翌日エンリケにシロは返してくれと訴えます。エンリケはブレーキペダルの裏にチョコチップがあることを教えてくれて、シロはそれを食べました。少し元気を取り戻し、再びドアを壊そうとします。ほんの少しだけ穴が開いて、そこから叫びますが外に声は届かないようです。また、エンリケから電話がありシロの妻と息子に10万ドルを渡したといいました。エンリケはシロの過去を調べシロが殺人を犯していたことを知り、指摘しますがシロは言い訳をします。そしてエンリケは電話を切りました。

 

夜になり、シロは穴からコオロギを外に出してやりました。

 

シロは夢を見ていました。エンジンボタンを何度も押しているとエンジンがかかりました。車はバックにのみ操縦可能なようです。シロはバックで運転してわざとぶつかり、後部座席のガラスを割ります。そして脱出して外を歩き、水と食べ物を得て、警備員に発砲しました。

 

しかし、現実は車から出ることができません。このまま自殺しようかとも考えているとエンリケから電話がかかりました。私を見ろと言われ前を向くと車の前にエンリケが立っていました。そして車の中に入ってきます。シロにマリファナを与えるとエンリケはピーナッツチョコを食べながらシロの傷口の膿を出そうとしていました。するとエンリケに電話がかかります。その隙を見てシロが発砲し逃げ出そうとします。社外で二人がもみ合っているのを女性警官が止めようとしますがエンリケがシロを人質に取り、銃を構えました。

 

そのまま2時間が経過しました。交渉人がエンリケに要求を聞きます。エンリケは車上荒らしに何回もあっていること、町の治安が良くならないことを訴えました。交渉人はシロに水をやれと言って水を渡しました。エンリケはシロを開放し、そのあと車に乗り込みました。すると車は爆発してしまいました。

 

みどころ

ほぼ車内でのシーンですが、役者の演技力や、音響、絶妙な間が観る人を飽きさせずに物語に引き込んでくれます。拷問のようなシーンはこちらも苦しくなってしまいますが、テンポよく進んでいき、エンリケが実際に登場するシーンからのどんでん返し的な展開はみどころです。

 

感想

ただ密室内が舞台のスリラー映画ではなく、もっと深い伝えたいテーマを感じ取れる作品でした。人の生や舞台のアルゼンチンの社会問題という伝えたいことをわかりやすく物語の中に埋め込まれており、最後の方はテーマについて考えさせられました。

 

途中から車内でシロはエンリケの電話の指示通りに洗浄液をのんだりするのですが、もう少しシロ自身が車内でなんとか生き延びるために自分自身のアイディアでのサバイバルシーンがあるとスリル感が増すのかなと個人的に思いました。

 

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