1408号室【ソリッドシチュエーションスリラー映画レビュー】

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制作国: アメリカ
上映時間: 106分
原題:1408
配給: ムービーアイ
監督: ミカエル・ハフストローム
出演: ジョン・キューザック、サミュエル・L・ジャクソン、メアリー・マコーマック、ジャスミン・ジェシカ・アンソニー、トニー・シャルーブ
閉じ込められている場所:1408号室

 

あらすじ

主人公マイクはしばらく前に、幼い娘を病気で亡くし、妻のリリーと別居したのち、オカルト作家として生計を立てていました。心霊ホテルの取材をするため、老夫婦が営むホテルへ向かいました。そのホテルでは、階段で1860年にメイドが首を吊って、いわくつきの客室となったそうです。その話を老夫婦から聞きながら、マイクはうんざりしていました。そしてその客室に宿泊し、部屋を隅々までチェックしました。レコーダーで部屋の状況をレポートする音声を残して、何も起こらないまま朝を迎えました。

 

マイクは神や天国、地獄、幽霊という存在を信じていませんでした。見えるもののみを信じて生きているのです。

 

ある日の昼間、マイクはサーフボードにのっていました。そして頭上にのぼりをぶらさげた飛行機を見つけ、その文字を読もうとしたら波にのまれておぼれてしまいました。なんとか一命を取り留めます。

 

その後、郵便局に立ち寄り自分の郵便物を受け取るとカフェでコーヒーを飲みながら手紙類のチェックをしました。すると一通の絵はがきに目がとまりました。「NYドルフィンホテル1408号室に入るな」という文字を見て、ホテルに電話をかけてみました。1408号室に泊まりたいというと日にちをいう前に「ふさがっております」と言われ、断られます。不思議に思い、新聞記事を調べるとそのホテルの1408号室ではホテルの窓から投身自殺を客がしたようでした。マイクは、ドルフィンホテルへ向かい、1408号室に宿泊させるよう直談判しました。マイクは支配人の部屋に通され、支配人に1408号室は恐ろしい部屋であるため、どうしても宿泊させたくない、1時間も耐えられたものはいないと止められました。そして、1408号室では自然死も含めると56人の客が死んでいることがわかったのです。56人の死亡理由をまとめたファイルをマイクに渡し、隣の同じ間取りの部屋に泊まり、このファイルをそのまま出版すればいいとも諭しましたが、マイクはいうことを聞かず、資料と年代物のコニャックを受け取り、1408号室に向かいました。

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部屋のある14階につくと、隣の部屋にベビーカーを押す若い女性が入っていきました。1408号室に入りました。花柄の壁紙の、至って普通の部屋でした。壁には「海に浮かぶ帆船」「老婦人と子供」「犬を使って狩りをするイギリス貴族」の絵が飾ってありました。アンティークなクローゼットに、聖書もありました。部屋の中を隅々まで見渡し、三角に折りたたまれたトイレットペーパーを引きちぎり、ゴミ箱に捨てます。上にスライドさせる窓をあけ、NYの都会的な町並みを見ていると、いきなり愛のプレリュードが大音量で流れ出しました。驚き、窓に頭をぶつけます。振り返ると枕に2つのチョコレートがおいてありました。誰かの仕業だと思い、もう一度部屋の中を見渡しました。通風口を見渡しましたが、異変はありませんでした。バスルームに行くと、先ほどちぎったトイレットペーパーがなぜかきれいに折りたたまれています。チョコレートのゴミもゴミ箱から消えています。

 

エアコンの温度が調節できないため、マイクは修理をフロントに頼みました。修理業者を向かわせている間、特殊光学機器をつかい、血液反応を調べます。部屋のあちこちに血痕がうかびました。

 

ドアがノックされ、エアコンの修理業者が来ましたが、その人は部屋の中に入りたくないといい、口頭で修理を指示します。修理業者ですら、1408号室には入りたがらないようです。

マイクが酒を飲もうとすると、ラジオの時計が60分をカウントダウンし始めました。すると耳鳴りのような、不快感を覚え、窓を開けました。すると窓が勝手に閉まり、左手が挟まれ出血します。洗面所で血を洗い流そうとすると、急に熱湯が噴き出し、止まらなくなりました。電話が鳴ります。頼んだ覚えもないサンドイッチが遅れるという連絡でした。そして再び電話があり「チェックアウトなさいますか」と聞かれます。

 

部屋を出ようとマイクはドアノブを回しますが、ドアが開かず、鍵を指すと鍵が折れ、ナイフを突っ込み鍵が開きました。急いでドアノブを回すとドアノブがとれてしまい、内側から扉を開けるのは不可能な状態になってしまいます。

 

ホテルの向かい側のへやに明かりがついていることに気がつきました。大きな身振りでジェスチャーをすると、なぜか相手も同じ動きをします。そして、向かいの窓の自分と同じ動きをする影に、後ろから何かを振り下ろす影が見えました。急いで振り返ります。

 

それからというもの、不思議な現象が次々に起こりました。テレビが急につき、娘が生きていて幸せだった頃の家族の動画でした。資料に載っていた死んでいった人間たちの幻覚を見たり、浴室に死んだはずの父親を見たりしました。

 

ベビーカーを押した親子が宿泊しているはずの部屋の壁が亀裂が入り、血が流れ落ちます。隣の窓までの距離を歩数で計算し、壁をつたって脱出しようとしました。足場は靴が一足なんとかのるような大きさで、距離をイメージしながら進みますが、進んでも進んでも、隣の窓は現れないのです。元の窓に戻り、避難経路の図を見ると、1408号室いがいが真っ黒になっていて、窓の外はレンガ造りの壁になっており、もう窓の外に出ることもできなくなっていました。テレビには、娘の画像が流れています。部屋全体が寒くなってきました。雪が降りしきります。パソコンを持ってきていたことを思い出し、妻のリリーにテレビ電話をつなぎます。ホテルの名前と部屋番号を告げて警察に連絡をするように必死で伝えますが、リリーは仕事があって相手にしてくれませんでした。すると、火気もないのにスプリンクラーが発動し、パソコンが故障してしまいます。スプリンクラーを壊してなんとか水を止め、通風口から隣の部屋に行こうとしました。隣の部屋にはなぜか妻と死んだはずの娘がいました。そしてミイラのような男が追ってきました。慌てて部屋に戻ります。

 

冷蔵庫を開けると、支配人が見えました。「おまえの勝ちだ」といって聖書を開くとはじめに見たときは印刷されていた言葉が全部消え、白紙になっていました。

 

パソコンからリリーの声がしました。警察に通報して、自分もあと15分でホテルに着くと言いました。来ちゃだめだ、といいますがリリーには聞こえていません。そしてなぜか自分そっくりな自分がリリーと話をしていました。リリーが通話を着ると、自分そっくりな自分はウインクをして消えました。

 

部屋の絵が変わり果てていました。スプリンクラーから再び水が放出されます。するとサーフボードが見えました。目を覚ますとマイクは一度おぼれたときと同様に砂浜の上に横たわっていました。飛行機は「格安保険は1408」と書かれていました。もう一度気を失って病院へ行き、再び今までと同じ日常が戻っていました。郵便局へ行き、郵便物を受け取ると、郵便局員がドルフィンホテルのフロント係の顔にそっくりなことに気がつきました。すると郵便局員たちが壁を破壊し始め、それは幻覚であったことに気がつきます。またしても先ほどの寒い1408号室でした。

少し離れたところから「寒いの」と死んだはずの娘がやってきました。「いかないと叱られる」という娘を抱きしめましたが、マイクの腕の中で娘は2度目の死迎えました。あと3分で1時間が経過します。娘はマイクの腕の中で灰になりました。そしてカウントダウンが0になります。やっとおわる、と思ったとたん、部屋が元に戻りました。また時計が60分のカウントダウンを始めます。電話が鳴り、出ると「お客様のご要望により、何度も追体験できます。チェックアウトもできます」とフロント係が言いました。部屋には首つり用の縄が用意されていて、娘の墓の横に自分の墓まで用意されていました。

 

「ご準備できましたか?」という電話に「断る」と答えましたが、「奥様があと5分でつきますのでご案内します」といわれ、必死に断りました。受話器は溶けていきました。

 

リリーを同じ目には遭わせられないと、マイクは1408号室ごと自害することを決意しました。コニャックの瓶に布をつめ、部屋に投げました。

 

そのころホテルロビーでは大混乱です。火災報知器が作動し、避難を開始していました。消防隊が1408号室へ到着し、マイクを救助しました。視界の片隅で1408の数字が溶けてゆきます。支配人は「よくやったよ、エンズリン(マイクのこと)」とつぶやきました。

 

マイクはNYの病院で目覚めます。妻のリリーも横にいました。現在ドルフィンホテルは休業中で、古い配線が出火原因とされているようです。

 

2人は一緒に暮らすことにしました。ホテルで起きたことをリリーに話しても信じてくれません。ホテルにチェックインした際の荷物の中からレコーダーを取り出しました。レコーダーを再生すると、マイクと娘の会話が録音されていました。それを聞いて血の気が引いているリリーに、マイクはにやりと笑いました。

 

みどころ

「ミザリー」や「シャイニング」など有名なホラー映画の原作を数多く手がけているスティーブン・キングが原作を手がけており、彼の著作が好きな人は楽しめる作品になっていると思います。

 

様々な謎がちりばめられていて、数多くの考察がされている作品のため、自分の考えにぴったりな考察を見つけるのも楽しいかもしれません。

 

感想

1408号室という1+4+0+8=13のようなわかりやすく呪われた部屋で不可思議な体験をするというわかりやすいテーマではあるものの、ラストは見る側が様々な予測ができる余韻が残っていていい意味で記憶にのこる映画だと思いました。

 

どんどん危機的状況に陥っていく主人公に感情移入してしまうとあっという間の108分でした。

 

ネット上に上がっている考察の中には、背景にキリスト教の教えを考えたりとかなり深く読み込んだ考察などもあり、映画の上映時間内だけでなく視聴後も楽しい映画だなと思いました。

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