製作国:アメリカ
上映時間:85分
原題:unknown
配給:ムービーアイ・エンタテイメント
監督:サイモン・ブランド
出演:ジム・カヴィーゼル/バリー・ペッパー/グレッグ・キニア
閉じ込められている場所:廃工場
■あらすじ
とある廃工場。
ジャケットを着た男が目を覚まします。自分がなぜここにいるのか、そもそもここはどこなのか全くわかりません。
周囲には他にも男がいました。
手錠で繋がれた男。椅子に縛られた男。倒れている男。ジャケットの男が縛られた男を助けようとすると、シャツを着た男が記憶が戻るまでやめたほうがいいと制しました。
倒れていた男が目を覚ましますが鼻が折れているようです。
手錠の男と縛られた男、身動きの取れない2人を放置してこの廃工場から出るために出口を探します。しかし、鍵が掛かっており脱出することは不可能でした。
状況を整理し、一体何が起こったのか考えますが、5人が争ったことは明白でした。
一方そのころ、誘拐された実業家の夫を救うため、妻であるエリザがFBIの協力のもと身代金を運ぼうとしますが犯人は現れないまま金だけが奪われてしまいます。
工場内ではトイレに置かれた新聞や、警備員の死体、フラッシュバックによる断片的な記憶からとある企業の社長と財務担当をこの廃工場に誘拐したことが発覚します。
そしてこの5人のうち3人が誘拐犯の一味で、2人が人質であることが判明します。
記憶が徐々に戻るなか、記憶を無くした原因が乱闘の際、漏れ出たガスであることもわかりました。
その時、工場内の電話が鳴り響き、ジャケットの男が電話に出ます。
電話の相手は誘拐犯のボスでした。ボスは工場内で起きたことは知らない様子でかつ電話口の相手であるジャケットの男には何の違和感も感じていない様子でした。
ボスは夕方までには工場に向かうと伝え電話を切ります。
それぞれが不信感を抱き、疑心暗鬼になります。
そしてとうとうボスが到着してしまいます。しかし、足取りを掴んでいたFBIも同時に廃工場へ突入します。
撃ち合いになり、ジャケットの男とシャツを着た男以外死亡してしまいました。
エリザはシャツの男と抱き合います。そう、シャツの男こそが誘拐された実業家だったのです。一方で捜査官達から賞賛を浴びるジャケットの男はFBIの捜査官だったのです。
解決したかに思えた事件ですが、最後にジャケットの男の記憶が蘇ります。
なんとエリザとは不倫関係にあり、夫を事故に見せかけ殺害し巨額の遺産を手に入れ2人で暮らすという裏があったのです。
■みどころ
目覚めた5人には全く記憶が無く、廃工場に閉じ込められているという設定が非常に秀逸です。工場から出たくても術が無い、周りの人間を信用して協力するべきか?しかし争った形跡がある以上無闇に背中を向けることが出来ない状況での心理的攻防は見ものです。
ラストシーンでは主人公自身がこの事件の裏を思い出す事で全貌が明らかになるという構成も映画の締め括りとしては面白いです。
また、主演のジム・カヴィーゼルをはじめ、バリー・ペッパーなど派手さは無いですが、映画通好みのキャスティングも本作の魅力の1つです。
■感想
登場人物はそれぞれ悪人にも善人にも見えます。本人たちも自分自身が悪か善か分からず葛藤し、より疑心暗鬼になっていきます。
容姿、声や話し方、所作が人に与える印象、またそれをどう受け取るかは人それぞれで間違っている事も往々にしてあるのかもしれません。
人は見た目で判断してはいけません。突き詰めると人は職業や地位で判断する事も難しいのかもしれません。
もし自分がこの状況に置かれた時、自らの行動に現れるのは善か悪か?そんなことを想像しながら観るのも楽しみ方の1つかもしれません。
とにかく先が気になり、二転三転するストーリーにのめり込むことでしょう。